天然砥石とは [砥石]
天然砥石は奥が深くて勉強になります。
天然砥石とは何ぞや?と思われる方へ簡単に説明します。
※一つ々について語るとあまりに深い内容になりますので割愛させていただきます。
不適切な説明もあるかもしれないので指摘があれば修正させていただきます。
興味のある方はググってもらうとさらに楽しくなるでしょう。
【産地】
京都には大きく分けて3種の砥石産地があり
中~仕上砥石になります。
京都西北(丹波)から北部(京都市)を通り滋賀県西部(現高島市)に
連なる砥石の鉱脈です。
その中でも硬い物が取れる順に
本口成(東物)中口成(丹波系)合石成(日照山)と呼ばれます
本口成
産地名:中山、奥殿、菖蒲谷、鳴滝など
滋賀県の高島妙覚山も中山と似たものが産出するようです。
本山 ≪Honyama≫
愛宕山の東側にあり鳴滝~菖蒲谷で採れた砥石になります。
現在で言うと京都市右京区梅が畑の南東部 Goopleマップで確認してもらえば場所は判ります。
正確には正本山と呼ばれ、時代を遡ること鎌倉時代に本間氏一族が採掘していた
お山(砥石を採掘する場所)を 本間の山=本山
中山 ≪Nakayama≫
数ある本間一族のお山の中間位置にある場所が 本山の真ん中の山=中山 と呼ばれています。
尾崎≪Ozaki≫ 奥殿≪Okudo≫ 大突≪Ozuku≫ 木津山≪Kiduyama≫ 鳴滝≪Narutaki≫他
などが同じエリアのすぐ近いところにあり、硬くて締まった良いものが採れたそうです
※尾崎は本間さんが初めて砥石を発見した場所で本山発祥の地と言われてます。
※現在では京都市北部から丹波、滋賀までに至る砥石を正本山として売られているようです
真の正本山とは京都の本間一族が採っていたお山で採れる砥石だけであると言うことは覚えて
おいて損はないと思います。
しかしどの山も良いものは戦前までに掘りつくし、需要と供給・高齢化・人造砥石の登場などにより
現在はほとんどが閉山し採掘されておらず 非常に貴重なものになっています。
中口成
愛宕山周辺の砥石山
産地名:大平、水木原、奥の門など
合石成
愛宕山から西一帯
産地名:日照山
【砥石層】
京都の砥石には層があり
層により硬さや色など特徴のあり、
一般には総層枚数約80枚あり、戸前が50枚前後と云われています。
鉱脈を断面でみると
---------- 巣板(天井) ------------ 最上部 天井巣板とも呼ばれ 刀剣を磨く内曇りと言われる石が出ます
---------- 八枚 ------------ 8枚の石の層
---------- 千枚 ------------ 薄い石が多数重なってるので千枚
---------- 戸前 ------------ この層にあたると蔵が建つと言われてるので戸前(蔵の前)と呼ばれます
--------- 合さ ------------ 硬質で研磨力があるとされる層
---------- 並砥 ------------ 比較的厚めの層で安定した成分とされる層
---------- 巣板(敷) ------------ 一番下の層で巣(ガスが抜けた小さい穴)があるから巣板と言われます
のような名称で呼ばれ層名が判れば特徴も解かる訳です。
【色や模様で呼ばれる名称】
ユニークな名前が多いです。
色による名前
黄板 黄色や卵色のもの。
卵色 黄色でも特に薄めのもの。
色物 黄褐色や赤紫のもの。
青口 青色が揃ったもの。
白 白色で軟質のもの。
赤ビン 濃い赤色で軟質のもの。
模様や質による名前
梨地 戸前の層で黄色の梨地模様。
巣板 巣板とは層から高圧ガスが抜けた跡の細かい孔があり、よくおります。
巣無し 巣板の中でも巣が入っていない極上品。
蓮華 巣板の中で白い素地に赤い蓮華模様が入る。
紅葉 巣板の中でも赤や黄色の模様が入るもの。
烏 (からす) 合さの層で黒いまだら模様入り。 カラスが飛んでいる姿に見えるという説もあり
鯰 (なまず) 黄灰色のまだら模様。軟質のものが多い。
環巻 渦巻きのような模様。
羽二重 白くきめが細かいもの、戸前や八枚にも分布する。
曇り 天井巣板の中の内曇りの高級品で、刀剣研磨に使用されるもの。
蓮華巣板巣なし
戸前環巻薄カラス
戸前黄板
白巣板蓮華
内曇り天井巣板
など色々な砥石があり、これに硬い、柔らかい、滑走、おりなど
同じものはほとんどないので
コレクターになると色んな意味で大変らしいですよ
ある方は数万枚持っておられて
自分の墓石にするのだと聞いた事があります。
試し砥ぎ [砥石]
試し砥ぎをやってみました。
5+2の7丁です。
と言うか、普段使ってる砥石はセラミック砥石で中仕上げ後、数本の天然で済ましているので
ほとんどが家の物置にお蔵入り状態になってるわけですが試し砥ぎで記録を残さないと
判らなくなったりして・・・・・ しかし
この時間が、至極のひと時なんです。
購入した砥石は
タバコ縦2箱ほどの大きさのものと
レザー型と言われる 元々散髪屋さん
が髭剃り(レザー)を研ぐのに作られたサイズになります。
普通に包丁類も研げますのでご安心を
☆ 相岩谷 黄板 [Aiiwadani Kiita]
名前の如く黄色の砥石で、澄んだ黄色の砥汁が出てきます。
柔らかく、優しい当たりですが研磨力はそこそこ ナイフや包丁に◎
☆ 八木ノ嶋 環巻薄カラス [Yaginosima Kanmaki・Usukarasu]
当たり外れのない山として知られ
その山でも少し硬めの部類だとのことです。
淡い渦とカラスの層が入っています。 芸術点で+2ポイント(笑)
大平山 戸前 [Ohhirayama Tomae]
戸前層は硬めが多いのですが、大平にしてはかなり柔らかい砥石です。
しっとりとした砥ぎ心地が良いですね
水木原 合砥 [Mizukihara Awasedo]
この山の中でも柔らかめの砥石のようです。
吸水が早く、しばらくすると砥面が乾いてきます。
今の京都は暑くてエアコン使ってるので余計に乾きが早くなります。
長時間砥ぐ場合は水をこまめに足して砥ぐ方が良い仕上がりになります ナイフ・包丁◎
三号山 合砥 [Sangouyama Awasedo]
三号山にしては硬めの砥石のようです
上の3種より粒度も細かく、研磨力あります。
日照山 合砥 [Hideriyama Awasedo]
この山は柔らかい砥石が採れます。
少し色が濃いですがとても砥ぎやすい滑走◎のナイフ・包丁に合う砥石になります。
水木原 薄カラス
先の合砥よりかなり硬めの砥石です
研磨力もあり扱いやすい砥石になります。
薄いカラスの入ってポイント+1
今回の砥石は
東物ではなく丹波砥だったので柔らかめでした。
いずれも産地から中口成、合口といわれる
京都(丹波系)の砥石になります。
≪天然砥石ワンポイント≫
砥石の外観や採れる層により名前が付きます。
今回のは3丁がそうでした
外観(色、模様)
環巻薄カラス
環巻=渦巻
カラス=黒い斑点(からすが飛んでる姿に似てる)
黄板=産地により色合いは違いますが 文字通り黄色い砥石(真っ黄色は数十万~数百万( Д ) ゚ ゚)
層
戸前=土蔵の扉前(中には米俵が山ほど積んである)
これを掘り当てれば良い石が続くので、蔵が建つという語源らしいです。
鉋や鑿には柔らかすぎかもしれませんがナイフ・包丁にはとて相性のよい砥石です。
滑りもいいのでゆっくりとしたスピードで砥いであげると
とても良い仕上げができます。
画像ではどれもわかりにくいですが天然砥石は水に濡らすと色、模様が
浮かび上がるのでこれも人気の一つです。
砥汁を見てもらえば判るように硬くなると色が濃くなってきます。
硬い砥石で砥ぐと鋼が削られていくので黒くなります。
音が出せないので残念ですが心地よい音がする砥石もあり
同じものが一つとない天然砥石にしか出せない味が色々あるので
やはり砥ぎは楽しいです。
次回は東物(中山)を砥いでみたいと思います。
次の大人買い [砥石]
出費です [日々の戯言]
少し大きかったのでサイズ調整後に印刷
プリントヘッドが認識できない というエラーが発生
サイトで調べた結果、プリンターヘッドが認識できないため印刷できないのです
ヘッドの調整、インク漏れとか色々やってみましたがムリぽいので
修理はというと1万円近くかかりそう
購入して7年ほど経つのでメーカ部品も在庫があるかどうか不明なので
買い替えをしました。
どうせ買うならというわけで
今と同じメーカ Ca社の無線対応の複合機を購入しました
なんだかやたらにデカいです。
横幅は従来機とほぼ同じですが奥行きがでかいです
正方形に近い寸法で
今、設置してる場所の寸法を測りましたが
ギリギリおけるサイズでした。
まだ設置してませんが
痛い出費なのは間違いないです。
天然砥石 [砥石]
家で使ってた砥石(人造の仕上げ砥)が
真っ二つに割れてしまい
砥ぎにくくなったのでネットで砥石を検索
いままで砥石は砥げたらいいやん ぐらいの
感じで使ってきたので
あまり気にもせずにいたのですが
人造でも2000~3000の値段、セラミック製だとさらにup
それなら オークションで探してみようと
ヤフオク、楽天でサーチすると
天然?・・・ 奥殿 中山?? 蓮華 巣板 合砥??? パニック状態です
確かに昔は実家にも天然砥石があったんだよなあ・・・・
更に価格を見てみると人造とそんなには変わらない
もちろんピンキリで高いものは数万円
商売で刃物を使うわけではないので3千円近辺の天然砥石を落札しました。
あとから考えると これが悪魔の囁きだったのでしょうか
天然砥石にハマり込んでしまった自分がここにいます。
届いた砥石は
京都は中山 尾崎 緑板 → どんな砥石なのか全くわからず買ってしまった訳です。
いざ砥いでみると
硬すぎて砥げません(笑)
確かに説明に硬いと書いてありました。
とりあえず包丁が切れないわけではなかったので
もう一度砥石を探してみることにした訳ですが
今度は失敗するわけにはいかないのでサイトで
砥石に付いて調べてみることにしました。
天然砥石とは
※今回は京都の本山砥石について説明します。
京都市北西部の砥石が採れるところは
珪質粘板岩という地層で大昔(恐竜がいた時代より更にもっと前)この地は赤道上にあり
海中に生息する放散虫と言われるプランクトンが化石化し粘度と合わさり作られた石のようです。
珪質粘板岩
簡単に言うと
珪素の混ざった粘土が板状になった固まった岩 と思えばよいのでしょうか
↓
珪素
元素記号ではSi
シリコンと言えば判るでしょうか Silicon」は「silex」(石英)の名にちなんでいる。
一番解り易いもので説明すると硝子、石英、水晶などが珪素から出来ているものになります。
半導体にも使われますね、あと時計も水晶発振を利用しています。
那智黒と呼ばれる囲碁の黒石も珪質粘板岩で作られているようです
書道の硯も同じ組織らしいです。
なぜその珪素が?というと
放散虫(プランクトンみたいな生物でその骨格は珪質でできているから) 納得
火山活動により余分な粘度質の分離と地殻変動圧力による硬質化を繰り返し
そして2億年以上の長い年月を経て今の京都市北西部に現れたものが砥石として産出されてるものです。
※地球の地殻変動により今でも日本は一年で数ミリづつ北へズレているとかいないとか言われてます。
そして世界に類を見ない硬くて精細な組織の砥石が 京都本山と言うわけです。
今日はこれぐらいにしておきます。
続きはまたの機会に紹介します。
so-netブログ開始
他でブログを書いておりましたが今回so-netブログを始めることにしました。
不定期ではありますが
日記代わりに書いていこうと思います。
宜しくお願いします。